誰かとの議論がもつれてしまったら、「理論」と「感情」の交差点を意識してみていただきたいと思います。
「理論」に「理論」で対抗したり、「感情」に「感情」をぶつけてしまうと、
どちらも意地になって引くことができず、両者の関係までもが悪化してしまいます。
コミュニケーションが上手な方は、「理論」には「感情」で、「感情」には「理論」で対応し、
議論をまとめて結論に誘っていきます。
私がそのことを痛感したのは、プレゼンの時です。
先輩クリエイターと臨んだ大規模なプレゼンにおいて、
クライアントは先輩の案を否定し、喧々諤々の状況になっていました。
すると、先輩は突然、「この案を作成するために、 もう3日徹夜しています。 私は命を懸けているのです。」
と熱くなり始めました。
これを聞いたクライアントは急に冷静になり、
少しずつ、会議室全体がやわらかい空気に包まれ始めました。
そして、その案の良いところを認める声が出てきたのです。
「力を入れてくださってありがとう。ここを少し変えてもらえるかな?」
こうして、
完全に敗北を感じていたプレゼンが、一気に、前向きになっていったのです。
また、別のプレゼンで暗礁に乗り上げた時は、
「これ、映像になったら絶対に笑いますよ! ははははっ!」
と、先輩自ら笑い始め、
クライアントもつられて笑顔がこぼれていきました。
そしていつの間にか、先輩が議論をリードしていき、
クライアントも感情モードになった時、
「あとは任せてください。多少手を入れたら、最高の案になります。」
と理論に戻り、プレゼンに勝利したのです。
「理論」と「感情」を絶妙に行ったり来たりして、
相手の心を掴んでいったのですね。
理論に理論の応酬、感情に感情の応酬をしたら、人間関係が破綻してしまいます。
あなたも、日々の中で周囲の方と建設的な話し合いができるように、
「理論」と「感情」の交差点を意識してみてくださいね。