ドリルの穴を売りたければ穴を売れ、という顧客の心理を語った有名な言葉があります。
先日もお伝えしましたが、もう一度説明すると・・・
ドリルが欲しいという顧客がいた。
店員は、ドリルで何をするのかを聞いた。
よくよく聞いてみると、ドリルを使う用途は、
子供が学校から言われた課題を作るためで、そのドリル自体は、その課題が終わればまず使う事が無い、
あまり作業も慣れていないし、ゴミも出て大変と思っている、、、
それが分かったので、
ドリルを購入するのではなく、店員の方で穴の開いた板を作りますよ、という提案を行い、顧客は喜んだ、、、、
非常にざっくりと言ってますが、
顧客は商品を欲しがっているように見えるが、本当はその先の結果を手に入れたい、という教えを現したお話なのですが、
これを理解しているようでいて、全く分かっておらず、
その考え方を実践したつもりになって失敗している方が結構多いです。
なぜそんな事が起きてしまうのかというと、、、
「顧客を見ていないから」です。
そもそも、このドリルを売るなら穴を売れ、というエピソードを、
ドリルが欲しいという客がいた。
でも、本当はドリルではなくて、穴の開いた板が欲しかった。
顧客は販売している物ではなく、その先にある、結果で得られるものを欲している。
という様な、途中のリサーチの過程がまるまる抜け、
それがまるで、
「ドリル売る=穴を欲しがってる」
そう短絡的に考えてしまう方が多いのです。
ハッキリ言って、ドリルを求めている人が穴を欲しがっているというのは、求めている結果の一つに過ぎません。
顧客はドリルそのものを欲しがっているかも知れない、その可能性にも目を向けないと。
穴開けたいと言っているけど、その求めている世界は、
・穴を豪快に開けている自分が好き、
・その工具を使い倒している自分が好き、
・マニアックな工具に囲まれて、いつでもいろんなことが出来そう、という雰囲気が好き、
・売っている物と、そん色ない位の物を作り上げて、家族からスゴイ!と尊敬されたい、
そんな欲求が隠れているかも知れないのです。
ドリルを売るなら穴を売れ、という例えは、非常に秀逸ですが、
その言葉が出てきた過程をきちんと把握しておかなければなりません。
分かりやすくなった分、それをマニュアル的、テクニック的に捉えてしまいがちになるので、この点は注意が必要です。
人はどんな時でも、気持ちの良い買い物をしたいと思うのが普通です。
それが真の意味で見えなくなってしまっているのも、それはそれで興味深いところですが、
このお話は、いろいろな角度からお伝えしていきたいと思いますので、
まずは自分のビジネスを検証しつつ、
顧客は、本当はどうなりたいのかを追及してみてほしいと思います。
今はまだビジネスはやっていないけど、いずれ起業したいと思うのであれば、この考え方は常に忘れないでください。