日本社会は少しずつ多様化してきていますが、
未だに、周囲と「同質であること」が求められているように感じます。
他人と同じでなければ、妬まれ、同じ場所にいるよう強制されるのです。
また、教育においては、「減点」が重んじられていて、得意分野を伸ばそうとせずに欠点にフォーカスしています。
つまり、平均点より劣っている部分を是正するような指導をすることで、
全員を「同質」にしようとしているのです。
しかし、本来は、「減点」ではなく、「加点」で考えていくべきです。
何か苦手なものがあったとしても、一つのことで強みを持っているのであれば、それを伸ばしていけば良いのです。
日本社会に行動できない人が多いのは、この「同質」への要求と、
それに伴う「減点思考」から抜け出せないことが主因だと感じています。
行動することにはリスクが伴いますから、動いてマイナスされるのであれば、動かない方が良い、という思考です。
動かないことを選択することで、「マイナスを免れられる」と考えてしまうのですね。
しかし、このように、減点を恐れるがあまり、新しいことに踏み出せないでいるのは大いなる損失でしょう。
高度成長期は、全員が同じで良かったのですが、今はそうではありません。
経済環境としては、「異質であること」が必要です。
なぜなら、物が溢れている現代は、他社と同じ商品を出しても選ばれず、誰も評価してくれないからです。
異質で斬新なものを提示しないと、誰も手に取ってくれないのです。
つまり、私達は、社会から2つの矛盾した性質を求められていることになります。
一方では、「同質」を求められ、また一方では、「異質」を求めらる。
そして、この矛盾が、日本の「生き辛さ」に繋がっているのではないでしょうか。
私は、そろそろ、「異質」を認め合う社会の構築が必要になっていると考えています。
それは、個々人をバラバラ、ぐちゃぐちゃにしてしまう、ということではありません。
相手の違いを尊重し、お互いの差を評価し合える環境を作ることが、それぞれの個性をどんどん伸ばすと思うのです。
ですから、あなたがもし、「同質」を求め、「減点」で評価する思考だったならば、
これからは少しずつでも、「異質」を認め、「加点」で評価していく思考を取り入れていただきたいと考えています。